糖鎖ピーク抽出ソフトウェア「GlycoFinder」の販売を開始致しました。
2014年3月26日
JST研究成果展開事業【先端計測分析技術・機器開発プログラム】の一環として,北海道大学大学院生命科学院 西村紳一郎教授と弊社が共同で開発を行いました糖鎖ピーク抽出ソフトウェアGlycoFinder(Professional,Standard)の販売を開始しました。
GlycoFinder Professionalは,本プログラムで開発され既に商品化されている,バイオマーカー探索用血清由来糖タンパク質糖鎖自動抽出装置「SweetBlot®」(http://www.jst.go.jp/sentan/result/seika2012/01_20.html)で抽出を行ったヒト血清N-Glycan糖鎖プロファイルの質量分析結果を元に,糖鎖ピークの抽出とアノテーション,及び定量を行う為のソフトウェアです。SweetBlot®によるヒト血清の糖鎖プロファイル抽出と,Bruker社のMALDI-TOF/MSでの解析に最適化しており,Bruker付属ソフトウェアで自動検出を行うよりも約20%多くの糖鎖を同定することが可能です(図2)。80サンプル320スポット(1サンプル4点点着)の場合30分ほどで解析が終了致します。ヒト血清以外でも既知糖鎖リストがあれば,同様に同定することが可能です。SweetBlot®の標準プロトコルで取得した糖鎖プロファイルならば,同時に測定した希釈標準血清で作成した検量線を用いてプレート間の誤差を補正し,測定誤差を極力減らすことが可能です。
GlycoFinder StandardはProfessionalから定量機能を省き,より多くの質量分析装置で使えるようにしたバージョンです。糖鎖サンプルの質量分析装置による測定結果を対象に,糖鎖ピークの抽出とアノテーションを行います。現在動作確認済みの質量分析装置は,Bruker社製MALDI-TOF/MS及び,ABSCIEX社製MALDI-TOF/MSです。
図1. GlycoFinderによる糖鎖ピークの同定結果
図2. 標準血清サンプルにおける糖鎖ピーク検出数の比較
主な機能
- MSスペクトルのノイズ除去,スムージング
- 糖鎖ピーク抽出機能
- 糖鎖ピークの面積値計算
- ヒト血清中糖鎖のピークアノテーション
- 同一サンプル複数スポット測定結果からの外れ値の除外と平均の算出(Professional版のみ)
- 複数点測定値から外れ値の除外と平均濃度の算出(Professional版のみ)
- 標準血清による検量線作成と各糖鎖の濃度計算(Professional版のみ)
動作環境
OS: | Microsoft Windows XP,Windows Vista,Windows7,Windows8,Windows8.1 |
CPU: | マルチコア推奨 |
JAVA: | Java SE Runtime Environment 7以上 |
入力データ: | Bruker社製MALDI-TOF/MSから出力される測定結果のバイナリデータ(Professional版) Bruker社及びABSCIEX社製MALDI-TOF/MSから出力される測定結果のasciiデータ(Standard版) ※北海道大学西村紳一郎教授と住友ベークライト社の共同で開発されたBlotGlyco®を用いて抽出された糖鎖サンプルの測定データを推奨 |