経済産業省 地域新生コンソーシアム研究開発事業の研究成果をサービス化
2006年6月19日
国立大学法人北海道大学
株式会社ジェネティックラボ
サイエンス・テクノロジー・システムズ株式会社
株式会社シーズ・ラボ
日本ユニシス株式会社
経済産業省地域新生コンソーシアム研究開発事業の研究成果をサービス化
−事業共同体を設立し、製薬・食品・バイオ関連産業へ向けてタンパク質構造解析などのサービスを提供−
国立大学法人北海道大学(所在地:札幌市北区、総長:中村睦男)、株式会社ジェネティックラボ(本社:札幌市中央区、代表取締役社長:堀川武晴)、サイエンス・テクノロジー・システムズ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:福島信弘)、株式会社シーズ・ラボ(本社:札幌市中央区、代表取締役社長:山田二郎)日本ユニシス株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:籾井勝人)、の1大学4事業会社は、日本国内・国外のバイオ関連産業を対象に研究開発の効率向上支援を目的とした事業共同体「BioDoX(バイオドゥエックス)フォーラム」を2006年6月20日に設立します。本フォーラムは、平成16〜17年の両年度で実施した経済産業省地域新生コンソーシアム研究開発事業(以下、地域新生コンソーシアム研究開発事業)における以下の研究成果をサービス提供します。
また、日本ユニシスは、地域新生コンソーシアム研究開発事業の管理法人として、全体運営管理と事業化検討を担いました。
【地域新生コンソーシアム研究開発事業の成果】
1.“NMRによるタンパク質構造解析(注1)のハイスループット化(高速化)”
創薬関連タンパク質の研究や文部科学省タンパク3000プロジェクト(注2)で著名な北海道大学大学院薬学研究科稲垣研究室が研究開発しているOlivia(オリビア)テクノロジー(注3)を実用可能なものに近づけ、NMRによるタンパク質構造解析のハイスループット化を実現しました。
2.“NMRによる化合物スクリーニングシステム(注4)の開発”
稲垣研究室のノウハウをもとに、国内有数の性能を持つフローセルNMR(注5)装置を使用して、自動連続測定技術を駆使した化合物スクリーニングシステムを開発しました。
3.タンパク質の構造情報と有機合成技術(注6)からリード化合物(注7)合成に迅速に適用できる環境構築”
抗がん剤の研究などで著名な北海道大学大学院薬学研究科松田彰教授らの“創薬ノウハウと有機合成技術を取り入れ、タンパク質の構造情報をリード化合物合成に迅速に適用できる環境を構築”しました。
「BioDoXフォーラム」は、地域新生コンソーシアム研究開発事業プロジェクトに参画していたメンバーを中心に、同プロジェクトの研究成果をもとにタンパク質の構造解析から新規化合物デザイン・合成といった創薬プロセスを大幅に短縮できる薬剤開発支援サービスを提供する事業共同体です。
また、本フォーラムの特徴として、@サービス利用者へメンバー構成を活かしたバイオ技術とITの両面からのサービス提供、A北海道大学大学院薬学研究科が提供する国内でも最高水準の設備(NMRなど)の利用、B北海道大学大学院薬学研究科(構造生物学、薬化学)の技術・ノウハウ・情報の活用です。
■「BioDo Xフォーラム」の目的
地域新生コンソーシアム研究開発事業での成果物に関連する分野の産学官研究交流及び関連事業を行い同時に北海道のバイオ関連産業の発展に寄与することです。
■「BioDo Xフォーラム」の提供サービス
- タンパク質構造解析関連サービス(立体構造解析、誘導適合構造解析など)
- 創薬関連サービス(新規化合物デザイン・合成など)
- フローセルNMR(スクリーニング解析関連サービス
- バイオ関連データベースサービス
■「BioDo Xフォーラム」の活動体制
「BioDo Xフォーラム」の創立メンバーは、地域新生コンソーシアム研究開発事業への参画企業、大学のうち入会意思を表明した法人、団体により構成されています。また、本会の活動範囲の拡大に伴い新たな会員を募集していく予定です。
役員 |
会社・団体・個人 |
会 長 |
北海道大学大学院薬学研究科教授(構造生物学分野)稲垣冬彦 |
代 表 |
株式会社ジェネティックラボ |
副代表 |
サイエンス・テクノロジー・システムズ株式会社 |
技術責任者 |
北海道大学大学院薬学研究科(構造生物学分野)横地政志 |
技術顧問 |
北海道大学大学院薬学研究科教授(薬化学分野)松田彰 |
メンバー
|
株式会社シーズ・ラボ |
日本ユニシス株式会社 |
以上
注1:タンパク質構造解析
タンパク質は、複雑な生命現象をつかさどる基本的な物質であり、多くの疾患はタンパク質のさまざまな働きの不全に起因する。そのため、疾患に関連するタンパク質の構造および機能を解析すると、タンパク質の働きを制御することができる化合物を予測することができ、創薬プロセスを大幅に短縮することが可能となる。
注2:文部科学省タンパク3000プロジェクト
タンパク3000プロジェクトは、産学官の最適な研究機関によって国家的・社会的課題に対応した研究開発プロジェクトに重点的に取り組む「新世紀重点研究創生プラン(RR2002)」の一環として、文部科学省が平成14年度より開始したプロジェクト。世界最先端設備(NMR、大型放射光施設等)を駆使して、我が国発のゲノム創薬の実現等を目指し、我が国の研究機関の能力を結集して、主要と思われるタンパク質の1/3(約3000種)以上の基本構造およびその機能を解析するとともに、成果の特許化まで視野に入れた研究開発を推進する。
注3:Oliviaテクノロジー
NMR装置によってタンパク質を測定し、その測定結果の情報をセミオートマティックに高速解析する技術。
注4:NMRによる化合物スクリーニングシステム
NMR実験装置によって、タンパク質とリード化合物(注4)(リード候補化合物)との相互作用(結合度合いや親和性)を測定・解析するシステム。解析結果(結合度)は、ランキング形式で出力することも可能としている。
注5:フローセルNMR(Nuclear Magnetic Resonance:核磁気共鳴装置)
分子構造や電子構造などに関する種々の情報を得ることができるNMR(核磁気共鳴)装置に、フローセルプローブと呼ばれる実験器具を組み合わせることにより、試料を連続導入・自動測定するシステム。
注6:有機合成技術
化合物デザインや合成法を探索しながら、新しい化合物を合成する技術。
注7:リード化合物
医薬品の原石となる化合物。誘導体化することで、特異性、効果、薬物動態などの点で磨き上げられ、完成品である医薬品となりうる。
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- 北海道大学大学院 薬学研究科教授(構造生物学分野)稲垣冬彦
電話:011−706−9011E-mail:finagaki@pharm.hokudai.ac.jp
- 北海道大学大学院 薬学研究科教授(薬化学分野)松田彰
電話:011−706−3228E-mail:matuda@pharm.hokudai.ac.jp
- 株式会社ジェネティックラボ 創薬研究部 尾川直樹
電話:011−756−8740E-mail:naoki_ogawa@gene-lab.com
- サイエンス・テクノロジー・システムズ株式会社 事業戦略企画室 尾崎英治
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- 株式会社シーズ・ラボ 事業化推進室 菊田幸明
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- 日本ユニシス株式会社 広報部企画室報道担当 石崎美佳
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